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  ■ 暖簾百年 秘訣は伝統を忠実に受け継ぐ

  
  
  そば屋さんには、暖簾百年を超える名代の店が多いですね。単純素朴な食べ物なのに、奥が深いのでしょう。そばの実のうまさを名人が引き出す。江戸時代の味を引き継いでいるということだけで、ブルッときますね。

  長野県・木曾福島町にある「くるまや本店」も暖簾百年。主人の下條治さんは「10代目」。木曾に伝わるそばの伝統を、「忠実に受け継ぐ」ことに意を注いでいるという。山階宮様・高松宮様が来店の老舗。
  
  主人の気負いのない考えが、「くるまや本店」を守っているという。「よそのそば屋で修行したこともありませんし、うちの味しか知らないっていうのが正直なむところ。今のものを残すことで精一杯で、味の秘訣とか言ってもお教えできる大層なものはありません。手打は、祖母がやっていたのと同じようにやっているだけですよ」。とても控え目ですね。

  時代百年の間には、人間の嗜好にも何回も変化があったと思う。健康のための塩分控え目などなど・・・・・。こういう変化があっても、先代が決めた味を守り続けることが大切だと言う。一度だけ機械打ちを店に出し試したことがあるというが、案の定・お客から苦情がきたという。「やっぱりわかっちゃう」、こわいものだと思いましたという主人の言葉は重い。

  農家が始めたそば屋が、毎日地道にやってきて百年の歴史を刻んでいることに、拍手を贈りたい。ちなみに、もりそばが1,008円、おもわず「高いなあ」と声をあげてしまいそうですが、「もり」は2枚で一人前というのがこの店に伝わる流儀だそう。

  「くるまや本店」  日本4大関所・信州木曾路福島関所の関守「山村代官」御用達の水車小屋挽き粉屋が創業。毎日継ぎ足し継ぎ足しで守ってきた秘伝の「つばつゆ」が自慢。

  
(1998年「太陽」12月号 くるまや本店ホームページwww.soba-kurumaya.com参照)
  
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