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  幻のそば ヤマゴボウがつなぎ
  

  
  
  そば打ちの「つなぎ」、卵を水に溶いて使ったり、長いもをすりおろして入れたりしていませんか。私も、自分の口に合う「甘み」を強めるため、卵を使っています。暑い夏は、日持ちということでは難点がありますが、私は一層美味しくなると思っています。

  長野県・飯山市、豪雪地帯の山里「富倉地区」では、「ヤマゴボウの葉」をつなぎに使い「幻のそば」とも言われているんだそうです。風味が出てコシが強いそばが出来るという。ルーツはナゾ、というより良くわからないというのが本音のようです。かつては山に自生していたが、最近は少なくなり畑栽培されているという。

  お盆頃に収穫。葉を2日間天日で干す。乾いてきたら、もんだり叩いたりしてゴミや汚れを取り除く。それを鍋で煮て、洗い、またゴミを取る、これを何度か繰り返すと、葉の葉脈だけが残る。この葉脈は白っぽく、さわるとふんわりとやわらかく綿のようになる。

  こね鉢にいれた粉に、お湯で煮たヤマゴボウをゆで汁ごと入れる。そば粉1キログラムに対してヤマゴボウ4グラム。ヤマゴボウは無味無臭なので、そばの香りを害しないという。

  生地は大きく円形に広げる。ヤマゴボウの繊維が絡むと、薄く延ばしても破れないという。それを和紙の上に広げ20〜30分乾かす。この作業は、ヤマゴボウの水分を飛ばさないと、包丁にそばがくっつき切りにくいからだという。   

  随分と手間ヒマのかかる作業ですね。豪雪地帯の冬は、やることがないから「手遊び」にちょうどよかったのでは、と伝承者の話。それにしても、生活するための昔の知恵から生まれた「つなぎ」に、感服です。
  
  (旅の手帖 参照  富倉地区には4軒のそば店がある)
  
  

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