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◎農業と大野町かりんの会に思うこと 会長・小松啓子さん 「2004・2・5」


  女性農業者でつくる 「大野町かりんの会」 が、長年の活動が評価され・北海道知事から奨励賞をいただきました。農家の主婦の一日はとても忙しい。子どもの世話・主人の世話・食事の世話・本業の畑仕事・買い物・洗濯・風呂の用意・隣近所で不幸があれば何日も手伝い・おとしよりと同居していればそのお世話。一日をあわただしく暮しながらの会活動参加、ご苦労が目に見えますよ。

こんな状況の中・会の活動は10年を超え、「継続は力なり」 のごとく、実績と信頼を得ています。農業をリードする北海道の専門誌・ニューカントリーの 「大地に生き 大地に記す・私の農業ダイアリー」 に、現・会長さんの投稿が載りましたのでご紹介します。


   農業と女性の会に思うこと  小松啓子さん (52歳) 大野町在住

  近年、農業は厳しく、そんな中、農村における女性のパワーはとても大事で大きな役割となって来ていると思います。

  私が所属し、会長も努める 「大野町かりんの会」も発足して、本年で10年目を迎えます。今、会の活動は、自分たちの作っているトマトを収穫最盛期の8月に一次加工のジュースにしておき、翌年の1月に、ミートソース・ケチャップに加工し、全員で分けます。

ケチャップの一部は、6月から10月までの期間、第二・第四土曜日に、新はこだてJA
大野支店前を借りて開催する直売所の景品としても使います。市の名前は 「ごぶさた市」。二週間に一度の開催なので、このネーミングが付けられました。

販売時間はわずか30分ですが、今では地域に密着し、また、近郊の函館方面からのお客様もいます。私たちの会の趣旨である 「農村女性がその役割を地域に正しく評価され、生き生きと暮せる環境づくり」 のごとく、地産地消の取り組みにも生かされていると思っています。

  消費者との対面販売では、大野弁がポンポン飛び交います。「あれー、バッチャン元気かい?トマトほらこんなに入って100円だヨ、買ってネ」「このトーキミ(とうもろこし)今朝もいで(とって)きたんだヨ」。80歳の高齢のおばあちゃんは、「いやー、わし、ここに来るの楽しみでさ」 と乳母車を押して、つえ兼ね、荷物入れも兼ねて来てくれる。

「ここの切花長持ちするんだよネ」 と花の前で待つお母さんたち。「ついたくさん買っても、新鮮だから長持ちするから」 と話すお客さんなどと会話しながらの直売所です。いろいろな面で恵まれている大野町では施設園芸が多く、野菜の種類も多彩で豊富です。

会員さんも第一線での働き盛りの人ばかり。子育て真っ最中の人も何人かおり、みんな 「忙しい・忙しい」 と言いながらも、たくさんの種類の野菜や花が市に並びます。

  先進地視察研修、いちごジヤムづくり(直売販売用)、年2回のごぶさた市抽選会、ネットワーク渡島フォーラム、農村女性の集い、おかみさん交流大会などと悲鳴が出る忙しさです。

会員さんと、「もう行事は増やさないようにしょうネ」と言いながらも、誘いに弱く、すべてにおいて出席率が高いというのがこの会の良さであり、一人一人も個性的で魅力のある人たちばかりです。

優しく、温かく、強く(夫にではなく、粘り)なっていく女性の会として維持したいと同時に、会長として力不足な私にとっても学ぶものがたくさんある会であり、町や普及センターの指導にも感謝しています。

  私自身、農業が大好きです。とはいっても現実、たくさんの悩みや問題もあります。でも、感動もたくさんします。春になると自然の芽吹き、花の魅力にいやされ、感動をもらい、そして 「今年も頑張ろう」 と元気をもらいます。

以前、農村女性活性化フォーラムで聞かせてもらったお話です。「感動のたくさんある子どもは、大人になつても人さまに優しく、温かさがあり、思いやりが与えられる。何でも感動する人は宝くじ。何でも当たり前と思う人は貧乏くじ」。お金、物に恵まれながらも毎日愚痴ばかり言うおばあちゃんの話でした。物が余りある時代で、心が貧乏になってきているのでしょうか。

  これからも、私たちの大野町かりんの会もいろいろな面でエキスとなり、また、エキスをもらったりして、活動していきたいと思っています。よろしくお願いします。
 


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