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◎水稲の作況指数・地域別の現実的なものを望む



  田植えも終わりました。水稲農家も春の忙しい定例作業を始末し、一安心というところでしょう。渡島支庁が発表した、生育状況は、草丈・葉数・ともに平年並み。順調なスタートをきっています。昨年は7月上旬からの日照不足、8月の出穂時期における低温が影響し、品質・収量ともに平年を大きく下回りました。今年こそはと願うものです。

  平成15年度の水田の利用状況をみると、水田面積が 約1,727ヘクタール。国の生産調整により、水稲を作ることの出来ない面積が 約890ヘクタール。従って、今年の水稲作付け面積は 約837ヘクタールとなります。転作面積が増え・作ることのできる面積が、48.5%と5割をきってしまいました。、「作りたくても作れない」という・農家の声が聞こえてきます。こういう厳しい環境ですが、農家のみなさんは、経費節減・削減をしながら頑張っていますので、道南で採れるおいしいお米を、毎日・食卓にのせてほしいと願いものです。

  毎年新聞で報道される・作柄を示す「作況指数」を見ると、まあまあの数値です。農家の所得も安定しているように思われがちですが、現実は収量・所得ともに厳しい状況下にあります。原因は作況指数の評価の仕方にあります。

  国が行う収穫量の調査は、もみを乾燥させた後、もみすりをして「粗玄米」をつくります。
次に、粗玄米をふるいで選別します。網目 1.7ミリ未満は「くず米」 以上は「玄米」とします。この玄米が10アール(1反)あたり・平年に比べ・どれだけとれるかを示した数値が 「作況指数」 です。

106以上が 「良」。 105〜102が 「やや良」。 101〜99 「平年並み」。98〜95 「やや不良」。94〜91 「不良」。90以下 「著しい不良」。

問題は、ふるいの網目にあります。国の調査では、くず米の基準網目を1.7ミリで行っています。しかし、平成14年の調査でみると、北海道は1.95ミリがほぼ100%です(通常・きらら397は2.0ミリ ほしのゆめは1.95ミリ こういうきつい網目は北海道だけです)。この0.25ミリの差は、収量を計算する上でとても大きい影響を与えるのです。従って、天候により細米が多いと、「やや良」の発表で、現実は「不良」ということもありえるのです。

農林水産省では、過去との比較検討上さまざまな資料提供をしており、現実は理解できます。しかし、国民が誤解しないような、地域性の配慮や・わかりやすい説明義務も必要ではないでしょうか。

この数値は、農家の水稲所得課税の基礎にもなるものであり、国民の「農家をみる目」と「農家の現実」が乖離しない配慮を望んでいます。


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