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◎ 高齢時代・「ふるさとを守る」考えよう


 

  「四季の学校」

  今年も山形県・金山町から便りがやってきた。NPO法人四季の学校谷口から、2007年2月10日(土)〜11日(日)に「四季の学校・冬」開設の案内が。

  「私たちの学校は、お金で消費するだけの生活ではなく、自分たちの手で作ってゆこう、ということを大切に考えて開校しています。会場は廃校になった学校です。

丁寧なサービスもできません。逆に参加した方自身に身体を動かしていただきます。そこから、創ることの楽しさ、参加者との交流など、多くのものを期待できると思います。今回はオーストラリアからの環境視察者との交流もあります」、と同封のしおりには書かれている。

  日程表を見ると、かまくらづくり、除雪作業、スキーとスノーモービル体験、草大福のお土産づくり、など親子で楽しめそうな内容です。


  
「谷口がっこそば開店」

  この四季の学校の開かれる金山町の谷口地区は、山あいにある36戸の小集落です。金山小学校・谷口分校があったが、平成8年3月に110年の幕を降ろし廃校となりました。

  「愛着ある校舎を壊したくない」、という地域の熱意が校舎の活用を考えた。農業体験学校「四季の学校・谷口」を立ち上げ、同時に手打ちそば屋「谷口がっこそば」を開店させた。


  
「名物かあちゃん・加藤トキ子さん」

  「谷口がっこそば」は、高齢の加藤トキ子さんを始めとする地域の高齢者が中心となり運営されています。地域で作付け収獲した粉で作る谷口かっこそばは、味と人情で評判を呼び、今や全国に名が広まっています。

  さらに加藤トキ子さんは、名物かあちゃんと呼称される人気者です。そば作りの技術の腕は勿論ですが、お客との人情あふれる会話が魅力となっている。加藤さんの、「うまいそばはどこにでもあるさ。ここではスタッフの心をゆっくり味わってほしい」、この言葉が繁昌の原点になっています。

  かいもち(そばがき)を油で揚げ、塩をまぶした「揚げそば」などのメニューお客の喜ぶ研究も怠り無い。また、キュウリの砂糖煮など昔から伝わる郷土自慢の味を振舞い、お客を喜ばす待遇も心得ている。


 
 「自遊自学が魅力」

  「地域の発展は自らの手で行うべし」という谷口地区の高齢者の思いは、何でも国や地方自治体に頼ろうとする思想に一石を投じています。

  ユニークなのは、四季ごとに行われる授業に、「木造校舎修繕体験」「校舎周囲の草取り」「グランド整備」「雪下ろし作業」などの実習科目を設け、維持管理に貢献をさりげなくさせていることです。

  私も3回訪問した。毎年行って見たいという雰囲気になる。施設が立派なわけでもなし、きれいでもない、しかしそういう思いにさせる魅力が、どこかに潜んでいるのでしょう。


 
 「高齢者結集の知恵」

  旧大野でも、中山分校と文月分校が廃校となった。どちらの地区も「何とかしなければ」「何とかしたい」の思いは強かった。しかし、思い切って地域一丸となった新たな一歩は実現できなかった。どこの過疎地も、「成功」の結果が先に立ち、後退する流れになってしまうのは否定できない。

  元気な高齢者のうちに、高齢者の知恵と技を結集して、「何か地域に貢献できないか」の実現を、考えてみましょうよ。「ひょうたんから駒」、期待したい。


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