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◎ 高齢時代・「車の免許返上」考えよう


 

  「困っているナンバーワン」

  高齢者と同居している家庭を訪問して耳にする「困っているナンバーワン」は、おじいちゃんの自動車運転です。80歳〜85歳に集中しています。昔から車の運転は男性のすること、という感覚があった。今後は、おばあちゃんも増えてきます。

  目も悪くなる、耳も遠くなる、体も思うようにならない、などなど家族は老化現象を心配します。家族が説得できず、親せき、友人、知人とあらゆる方の手を借りるようですが、「免許返上」は至難のことのようです。


  
「言い出すタイミングは難しい」

  立派だなあ、と思った事例があります。数年前に知人が、「来年80歳になる。そうしたら自動車の運転止めるよ」と言われた。「そんなに元気なのに、どうしてですか」と聞き返すと、「息子に言われたからだよ」。こういう形で運転に終止符、なかなかできることではありません。

私が察するには、連れ添いはすでに他界、今は息子家族と幸せ同居という現実に、感謝の意味も含めて、息子の助言を聞き入れたのだろうなあと思う。

  渋々というケースもあります。親せきのおじいちゃんは、交差点の信号を見誤って接触事故を起こしました。子供さんの説得で免許返上。免許証があれば乗りたくなる、ということで警察へ返還。受け取った係官、そこまでしなくても・・・・・と同情してくれたという。

  強制排除もあります。目が衰えバイクの運転が正常でない、と家族が判断。バイクの車輪をはずしてしまったのです。おじいちゃんにはお気の毒だが、いたしかたないですね。

  私の父は83歳で止めた。やはり、さまざまな人の力を借り、3年の年月を要した。身をもって、「免許を返上させることは大変だ」、ということを知らされた。(詳しくは、小さな発想で・「高齢者の運転免許を考える」をご覧下さい。)


  
「国民の課題になる免許返上」

  総務省の統計資料によれば、平成18年1月1日現在の65歳以上人口は、約2577万人で高齢化率20.2%です。今後高齢人口が増え続け、平成62年(2050年)の高齢化率は35.7%まで上昇するという。

  高齢運転者による交通事故は、ここ10年間で2倍に増えている。事故を起こした原因は、一位が「安全不確認」次に「脇見運転」「動静不注視」「信号無視」「一時不停止」と続きます。

  免許制度上では、「安全運転特別講習」や「身体の適正検査」を実施しているが、免許返上に重きをおいたものではない。今後は、高齢者事故の増加や要因にもよるが、「免許返上」の基準制定は避けることのできない課題ではないでしょうか。


  
「元気なうちに自己基準」

  高齢になれば、身体の機能低下は避けられない事実です。「脳細胞の減少」「記憶力」「視力」「聴力」「平衡感覚」などなど。このことは、自分では認めがたいことでしょう。「自分だけは大丈夫」と思いたい気持ちは誰でも持っている。

  こういう現実を自分自身がしっかり認識し、「○○歳で免許返上」「○○歳で医師や家族の判断に委ねる」などの文書を作り、けじめをつける準備をすることも、必要なのではないでしょうか。

  この文を書いていた2月18日(平成19年)、石川県・能登半島高速道路を高齢者の軽四輪車が逆走、対向車と衝突したニュースが流れた。運転していた80歳のおじいちゃんと妻が死亡。相手の車の運転手も怪我をしたという。高速道路逆走事故、多くなりました。「何で」と思うが、老いた事以外の答えはない。

 「免許返上 家庭に笑顔 テンコ盛」、80歳を超えたら「真剣・真剣・真剣」に考えましょう。お互いの幸せのために。



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