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◎アユタヤの水上生活



  「水上生活」

  わが家は、平成18年1月末月までの行政区域は「大野町」でした。現在、「上磯町」と合併し、北斗市になりました。大野町は、海のない町だった。内陸部では珍しくないことですが、渡島・檜山の渡島半島では、厚沢部町・今金町と大野町だけでした。海がないため、漁村の生活にはうとい。

  タイ国のアユタヤ市内には、海はないが、運河・川を利活用した水上生活者が多い。海のない町に育った私には、新鮮な生活様式に写る。運河の両岸に軒を並べて建つ水上高床住居、「住めば都」のごとく快適なのでしょう。

  「日本の水上生活者」

  テレビの時代劇では、「船宿」がよく登場する。昭和の東京の川は、ドブ臭い匂いがしていたという。羽田空港から浜松町間のモノレールから眺める水環境はとてもきれいに見え、そんな面影を感じさせない。

  戦前・戦後の時代のなつかしい写真を見ると、廃船を利用した水上生活者の場面が出てくる。犬や猫・ニワトリなどの小動物も同居し、自給自足的な生活をしていたのでしょう。

海には、土地のように所有権が設定されていない。土地の賃借料無料、トイレも川に流せば、魚も釣れば食料に ・・・・ など経費節減生活ができ、一石二鳥の住まいに思える。

  今時代、さまざまな法律ができ水上生活は無理になった。タイの水上生活も、環境衛生などの法律が整備されるにつれ、徐々に姿を消すような思いがする。

  「環境衛生」

  首都バンコク市の郊外都市「アユタヤ市」は、世界遺産の王宮跡がある観光地です。宿泊したホテル前の幹線道路を一歩入ると、水上生活地帯が広がった。運河沿いに住居を構える人々の交流手段は、簡単な浮きボートのようです。私の目に入ってきたのは、おすそ分けの品物を届ける光景。のどかでのんびりな様子は、せっかちな日本人の行動からは想像できない。

  生活者が洗濯をしていた。泡が見えたので洗剤を使用しているのでしょう。ガイドさんの説明によれば、トイレの汚物は網の袋に溜めてゴミに出すが、汚水はそのまま流すという。首都バンコクの都市整備と環境衛生は、進化しつつある現状に写る。しかし、郊外や山間部の環境問題は、まだまだ時間を要する課題に思う。

  運河から溢れた水で水上生活地域が造られている所もあります。溜まり水の池で、魚を獲る網を仕掛けていた光景も目にした。水が動かず汚れた水で育った魚は、どんな味がするのだろう。日本のように魚を生で食べない習慣が、衛生面をクリアーしているのでしょう。

  「生活」

  ほほえましい光景を目にした。中学生らしき娘さん2人を、渡り場までボートに乗せて送ってきたのです。学生は、そこからバスで学校へ向かいました。バスの停留所で待つ小学生を見ていると、ほとんどのお母さんがバス停留所まで見送りにきています。家族の絆の大切さを、日常生活で教えているように感じます。

  アユタヤの食生活は、「外食」が主流。屋台で食べることも多いよう。家で食べるとしても、屋台で買い求めたおかずをご飯に混ぜて食べるので、流し台での作業は必要なさそう。ということは、水質を悪化させる流し汁の排水がないことにもつながる。

  タイの気温は、年中30度を超える。高床式の水上住居は下が水面なので、過ごしやすくみえる。日本では考えられない気候・環境の中での生活は、その地域のさまざまな知恵が支えているように思う。

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