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◎タイの犬



  犬には二度噛まれたことがある。小学生の頃、近所の飼い犬に背中をやられた。当時母は、狂犬病を心配したことを覚えている。

二度目は平成10年です。後援会活動の家庭訪問中、家の中で飼っている犬にカブリ。上着、シャツ、下着を突いて肌に歯型と血がにじんでいた。皮下脂肪が多いことと厚着が、被害を少なくした。犬にかまれた傷は治りにくい。

  いずれの犬も、人に噛み付いたことがないという。だからといって安心してはいけない。犬には「油断タイ敵」の言葉、身にしみる。


  「コンビニの用心棒?」

  2006年11月4日・午後11時50分、タイの誇る国際空港スワンナブームに到着。そこからパタヤ市に向かった。3時間ほどの道程。途中小さな町で小休止。午前3時の夜中なのに、店が開いてる。タイもコンビニ大繁盛の国らしい。日本でも馴染みの「セブンイレブン」です。

  驚いたのは、首輪の着けない犬が数匹たむろしている。店の入り口に、ゴロンと寝転んでいたり、底目を使いながら出迎えてくれる犬も。野良犬が用心棒?なのか。タイの野良犬は野放し、というよりあがめられている感じがする。


  「ホテル前が縄張り?」

  アユタヤ市のウートン・イン・ホテルが宿泊場所だった。ここでも出迎えは野良犬君だった。ホテルの敷地内をウロウロ、でもホテルの従業員は知らんふり。日本のホテルの敷地に、野良犬かっぽなんて光景は想像できない。

  うろついていた3匹の犬にパンを与えた。それまで温厚そうだった犬が、突然他の犬をにらめ付け、そしてうなり声をあげながら「一人じめ」した。犬を見ただけで恐がる観光客にとっては、対策を犬当?してほしいと思うのでは。


  「世界遺産の観光地も野良犬天国」

  観光客が押し寄せる世界遺産・観光地も、野良犬にとっては天国のようです。観光ガイドさんに噛み付かないか聞くと、「ダイジョーブ・で〜〜す。タイの犬は温厚で〜〜す」、という説明で安心感を与えてくれるのだが。


  「狂犬病は100%死亡」

  つい最近のニュースで、フィリピンで犬に噛まれた62歳の男性が、「狂犬病」にかかり死亡と報じた。さらにまた一人が発症し重体だという。ガイドさんが噛み付かないといっても、「万が一」を考えてしまう。「狂犬病」は伝染しないとは言うものの、不安がつきまとう。


  「だらしない恰好の野良犬」

  野良犬はだらしない恰好でいる。南国の暑さのせいなのかも知れないが、それにしてもブザマな姿をさらしている。

  こんな恰好を見ると、ガイドさんが言うように「噛み付くわけがない」、と自分も思い込み、安心感にさらされる。

  吠えて威嚇するわけでもなし、元気よく走り回るわけでもなし、「亭主 元気なく ゴミ扱い」の川柳をプレゼントしたい。


  「水泳もじょうず」

  見かける犬、昼間は死んだような恰好で暑さをしのぎながら寝そべっている。首輪を着けたのが飼い犬だという。タイは犬をつないで飼う習慣がないのでしょうね。

  水上生活地区の水辺を、犬が泳いでいた。この犬は、飼い主に寵愛されているのでしょう。国王崇拝のお国柄なので、飼い主崇拝を実践しているのかも?。


  「国王が安全保障?」

  首都バンコクのペットブームが過ぎ、飽きて捨てられた犬も多数あり社会問題となる心配もあるという。野良犬の毛を見ると、暑さのせいなのか、それとも食べ物の偏食のせいなのか、毛色にツヤがなく抜け毛が多い。また、肥った犬もほとんど見かけない。食べるものはあっても栄養のバランスがうまく取れないのでしょう。

  タイの国王は犬が大好き、国王自身たくさんの犬を飼い、写真集まで出したとガイドさんに教わった。タイで暮らす犬にとっては、安全を国王に保障され幸せなのかも知れない。ただ、暑さの中での暮らしはつらそうに見えた。


  「考える力な〜し、の野良犬」

  タイは仏教信者が95%の国。仏教の教えは「殺傷好まず」ということから、犬の処分はせず保護する傾向の政策なのでしょう。

  放し飼いと野良犬について心配な面もありそう。「多量な犬のフンや抜け毛」、「フンから発生する病原菌」、「老衰や栄養失調による野たれ死」、「路上での交通事故」、「去勢避妊」「狂犬病」 ・・・ たかが「犬」の問題ではすまされないように思う。ペット・ファンはいらぬおせっかいと思うかも知れないが、日本もペット・ブームが去った時は「どうなるのだろう」、と考え込んでしまう。

  タイの犬の食料事情は「良」。国民もかわいがってくれるから住み心地も「満点」。どこでも自由にかっぽ出来るから「幸福」。でも暑さだけは少し苦手の「難」、でも世界遺産の中でグッスリ眠れるのだから、「不満」なし。


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