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◎子どもの環境に変化 体育家庭教師



  小学生時代の運動会の徒競走、いつもビリ争いだった。大野川で遊んだが、泳ぎは苦手だった。走ることは、親父が遅いから。泳ぐことも、親父がカナヅチだから。苦手な理由を、親のせいにしてきた。運動は天性のもの、これが責任回避に都合がよかった。今考えると、自分勝手な解釈をしてきたものだと思う。

  大都会では、「体育の家庭教師」が人気だという。家庭教師には、英語や数学など受験に関係する科目を習うもの、という固定観念が私の頭の中にあるので意外な感じがする。

習う側は、「かけっこが速くなりたい」「鉄棒の逆上がりができるようになりたい」「自転車に乗れるようになりたい」「泳げるようになりたい」・・・・、などなどさまざまな理由があるらしい。

今の親が家庭教師に求めていることは、私たちの小さい時代は先輩が教えてくれた。「電信柱をつかっての鬼ごっこ」「缶けり」「てんてんぱ」「釘指し」「パツチ」「ビー玉」 ・・・・ などなど、こういう遊びの中で「走る力」「腕力」「瞬発力」などの基礎体力をつけた。

  最近小学校時代の通知箋がヒョコッと出てきた。体育の評価もバッチリ載っている。これをながめて思うに、基礎体力をつける大切な成長期の小学生に、体育の評価が必要なんだろうか、と疑問をもってしまう。体育が苦手というより不得手だったからそう思うのかも知れない。

  児童殺傷事件などの相次ぐ犯罪の中、子どもだけで遊ばせるのは不安だということもあるかもしれない。しかし、本当の理由は、両親が子どもといっしょに遊んでやれないことも一因なのではないかと思う。先日、親と子がいっしょに過ごす時間は、先進国の中では下位という発表があった。私自身も、子供に時間をあまり割かずに育ててしまった。子どもの教育は家庭からということを、真摯に考えるべき時がきていると感じる。外国人から見れば、日本人は働き過ぎ、そして会社第一主義と言われるが、その通りだと思う。

  体育家庭教師の対価は、入会金数万円プラス1時間6000円前後と一般科目より割高だという。コマーシャルは、「運動の基礎を身につけさせたい」「外で遊ぶ機会が少ない」「部活でライバルに差をつけたい」などだが、入学対策や学校の授業対策を求めている親もいるという。

  近所を見渡しても、公園に行ってみても、子どもがたくさん集まって遊んでいる光景は少なくなった。昔は、道路やお寺・神社の境内などの小さな広場が、遊び場だった。スポーツと遊びの区別もなかったように思う。子どもたちも、サークル・習い事などで忙しいようだが、昔の光景を取り戻してほしいなあ。そして精神と体のバランスある頑丈な成長、これを期待したい。。


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