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◎大差 味文化



  青二才の頃、焼き鳥屋さんが教えてくれたことがある。「タレは命だ。ツボに入ったタレは親父から引き継いだもの、味を変えず継ぎ足している。流れた汗も入っているタレを守るのが一番の仕事」。これを聞いた時、自分の舌に合うか合わないかのことで、味に対する注文はつけられないと思った。

  趣味の手打ち蕎麦を打つようになってから、この教えがますます気に入っている。有名な蕎麦屋さん、頑固な蕎麦屋さん、日本一という蕎麦屋さん、・・・・ さまざまな店の蕎麦を食べた。しかし、やっぱり、「自分の打った蕎麦」が一番美味しい。蕎麦の味は「自分で打つのが命」、自らに都合のよい論法で満足感にしたっている。

  大好きなお好み焼き。札幌駅前には、味の気に入った店がある。お好み焼きは、大阪と東京では作り方も味も大きな違いがある。ラーメン、ハンバーグ、うどん ・・・ 地域によって風土が育んだ味があること、そして守ることの大切さを教えられる。

  北京に進出したセブンイレブン、中国では馴染まない食文化のフアーストフードに挑戦した。親会社イトーヨーカドー専務であり中国代表でもある塙昭彦さんがそのことを話してくれた。「中国にチョコット来て うまい まずい という能書きは言えない。日本人が うまい というものは、中国人は絶対 まずい と言うんですよ。それほど違うんです。中国には、北京・広州・広東・上海など ・・・ 色んな地域の料理があり、それぞれが違う味なんです」。

「私は、毎日・毎日、北京の外国人の行ったことのない店に足を運び食べました。便所臭い、そういう所で食べ、体に覚え込ませたんです。食の勉強ほど難しいものはない」。画家などは「目は一代」、音楽家の「耳は二代」、それに対して美食家は「口は三代」と言われます。食は三代続かないと美食家になれない、それほど難しい世界です」。

  大連市郊外にある松井味噌有限公司の松井健一社長さんは、「中国に進出して14年経ち、中国での販売がようやく軌道に乗った。最初は売れず日本へ輸出した。日本の味で提供したのでは、買ってもらえない。調味料も力を入れているが、醤油を始めすべてのものの味は、日本とはまったく違う味にして製造している」。と話してくれた。出された醤油の味、とても私の口には合わないというより、醤油という感じがしなかった。中国では、鰹節の入ったものは好まないなど、生活文化の違いも沢山ありそうです。

  お隣の国との食文化の違い、あるんですね。先日ロシアの人が、日本の料理に砂糖を使うことに驚いた様子がテレビで放映されていました。健康問題も含め、「食文化」の奥深さを改めて教えられました。日本の居酒屋の主人が跡取りの息子に言った、「自分の味は、自分で見つけろ」、この言葉が食文化の基本だと思うなあ。


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