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◎ 「森の音・子供にも聞かせてあげよう」 森の話 11



  匠の森公園の中を歩くと、さまざまな音に出会う。若い時は、森の中の音など聞こえなかった、というより聞こうという気持ちがなかったのかも知れない。この頃、森の音に一喜一憂するのは、齢を重ねた証拠なのでしょう。

  幻冬舎・発行の「自然のことのは」という本に、「風樹」という言葉が載っている。意味は、風に揺れる木。「樹 静かならんと欲すれども風やまず 子 養わんと欲すれども親待たず」、という孝行しようとする時には親が亡いという歌から、風樹の嘆きは亡き親を思う気持ち、と著されている。森の中で風樹を耳にしたら、「親孝行」の反省を思い出さねばと思う。

  森の中は静寂とばかり思ってきた。ところが森の中に入り、何もしないでジッと息をひそめると、木々の上部が風にゆれザワザワッと音を出している。下では、小さな虫の吐息の音が感じる気分になる。静寂な森は、人間にとってのさまざまな癒しの音をたてている。

  農学博士の梶本孝博さん(元・北海道水産林務部長)の講話によれば、森の中は色々な風が吹いていて、葉がすれる「カサカサ、コソコソ」といったやさしい音が聞こえる。また、小川のせせらぎや小鳥の鳴き声も聞こえる。これらとマイナスイオンがマッチして人間をリラックスさせるという。

空気中にはマイナスとプラスのイオンがあり、森の中はマイナスイオンの宝庫だという。お風呂に入ると水蒸気が出ている。水蒸気の水滴が空気中のプラスイオンを吸収するので、空気に残るのはマイナスイオンだけとなるという。森の中でも特にマイナスイオンが多いのは、滝の近くや小川の流れている近辺だという。

人間の自律神経には、交感神経と副交感神経がある。リラックスさせる神経は副交感神経で、マイナスイオンには、副交感神経を頑張らせる作用力があるという。

道南では、「やませ」が吹くと食欲不振・足の痛み・頭痛になると昔から言い伝えられている。それは、海岸の波うちぎわにはマイナスイオンがあるが、海の沖にはプラスイオンが沢山ある。「やませ」が、プラスイオンを運んでくることが体調を狂わす原因になっているという。

  家庭や仕事場・地域など人間との葛藤で日々頭を悩ましている人は、森の中を歩いてみてはいかがでしょう。森の音を聞き体をリラックスさせることは、お金もかからず一石二鳥の拍手を家族からもらえそう。


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