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◎談合ヤーメタ  「生き残り」



  新聞を開くと、官製談合など「談合」に関する記事が目に付きますね。防衛施設庁発注の建設工事談合事件。警視庁の天下り会社が、信号機の保守点検独占。談合で、市部長を起訴 ・・・・・・とにかく毎日のように全国のどこかで・・・・・・。

  官公庁発注の公共事業に依存している会社に、事件が多い。水戸黄門が、「印籠」をかざして現れることを、切望している人もいるのでは。談合の正体・実態は見えないが、上甲晃さんの「生き残り」を読めば、少しは闇の中が透視できるのでは。



  「生き残り」  志ネットワーク代表  上甲 晃 さん  デイリーメッセージから

  「あの忌まわしい談合に、もう加わらなくてもいいとなって、どれほど解放され、晴れ晴れとした気持ちになったことでしょう。長年、建設業界で仕事をしてきましたが談合ぐらい嫌なものはありませんでした。みんな、自分が仕事を取りたい一心ですから、人間の一番嫌なところを見せつけられる。もう前の晩から、胃が痛くて、眠れませんでした」。そんな正直な話を聞かせてくれたのは、建設業を営む西野賢太郎さん。

  父親の経営する建設会社に入ったのは、今からちょうど30年前である。当時の仕事は、公共工事100%であった。談合が本業の会社であったのだ。当時から、西野さんは、公共工事に依存する建設業界の体質に強い疑問を持っていた。

「父親から、代議士にまず挨拶に行けと言われた。選挙では、勝ち馬に乗らなければならない。そんなことがすべて嫌だった。業界の人たちも、質が悪かった。特に土木屋さんは口を開けていたら仕事が舞い込んでくるから、会社とは言え、経営とは程遠い状態。そして、高級車を乗り回し、夜の街を肩で風切って歩き回る。平日からゴルフ三昧。とても付いていけませんでした」。西野さんが語る当時の建設業界の赤裸々な実態である。

  西野さんの経営する会社は、今、公共工事に依存する比率が20%になった。激減である。それは、公共工事に依存しなくてもいい会社作りを、この10年間、必死で進めてきた成果である。その間の努力はそれこそ、血のにじむようなものであった。

  まず社員の意識改革から手を付けた。土木の仕事をしてきた人達にも、建設の仕事ができるように、しっかりと勉強してほしいと強く求めた。それだけで、何人かの社員が、会社を去っていった。「俺達は土木で飯を食う。今さら、建築の勉強なんかできない」というわけだ。

  しかし、残った人達は懸命に学んだ。先輩に教えてもらったりしながら、資格を習得した。「トイレ掃除のできる会社」をめざすと宣言しただけで、去って行った社員も何人かいる。経営者が明確な会社の方針を打ち出すことにより、社員が自然に入れ替わったことになる。

「先日、女性社員を勤続10年で表彰したら、私がこの会社では、社長に次いで古いと言いました」、そんなエピソードが、その間の様子を如実に伝えてくれる。



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