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◎認知症のおばあちゃんから貴方へ



  ボケから「痴ほう症」、この言葉、大野町の平成17年度町政執行方針から姿を消し 「認知症」 となりました。ガンの病気は治る時代になりましたが、今やっかいなのはアルツハイマーなど認知症です。

  認知症は風邪をひくときのように、知らないうちに「もの忘れ」をしたり「場所や時間」がわからなくなったり「人を疑ったり」「興奮したり」「暴言をはいたり」 ・・・・・・・。

  私の自家用車のCDから流れる金田たつえの曲 「お母さん」 「どなたですかと 他人のように 私を見上げて 聞く母の 笑顔は昔と 変わらぬものの いいのよ いいのよ お母さん やせた手をとり うなづきながら あふれる涙が 止まらない」。この歌詞は、「よく現実をとらえているなあ」と考えさせられます。

  全国で、認知症になった人や家族の暮らしが不幸であってはならない、この課題に取り組んでいる方が沢山います。大牟田市の痴呆研究会も手本になる活動をしています。その会の作った「いつだって心は生きている」の中から、ひとつの物語を紹介しますので、家族で食卓の話題にしてみましょう。何かが見えてくるかも。


  「あなたへ」

  お〜い誰か〜  
  暗い闇の中、私はどこにいるのだろう  
  ここはどこ?いま何時なの
  そこで怖い目をして見ているのは誰なの?   
  どうしてそんな大きな声で叱るの?
  そんなに強く手をひかないで、わたしの行く道をふさがないで、
  こんなところに閉じ込めないで。
  怖いよ、助けて。
  どこへ行けばいいの?
  何をすればいいの?
  私にはわからない。ここがどこで、あなたが誰なのかも・・・・。

  
  ああ手が温かくなってきた。
  誰かが私の手を握り、微笑んでいる
  私にゆっくりと優しく語りかけてくる。
  肩の力がとれ暖かい日差しに包まれたように
  柔らかな気持ちになる。
  まるで心が生き返るかのように。


  あなたがそばにいると私は楽になり安心できる。
  わたしの行く道にただ寄り添っているあなた。
  あなたの名前も、この場所も何もかも解らなくなったれど、
  私を大事に思ってくれていることだけはわかります。

  私には何も残っていないように見えるかもしれないけれど、怒りや悲しみもあり、
  何よりもあなたと喜びを感じ合いたいと思っているのです。


  「いつだって心は、生きている」のだから
  

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