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◎人間の五感と森林・木の話 連載4 農学博士・梶本孝博さん


  「人間の五感」のつづき
 

  木の色というのは暖色系の黄色から赤系の色であります。人間にとって見ると非常に温かい、和んだ印象を与えます。木には、真っ黒な木とか真っ青な木はありません。みんな暖色系です。この会場も暖色系の色を塗れば、ここに入ったとたんにもっと和むと思います。真っ白なので緊張しています。

  木があると気持ちが和みます。家の中で、いつもいる居間などは周りが木であると心が和み、家にいるとリラックスできると思います。特に、木造の校舎の色々なデータが出ていますが、コンクリートの校舎と比べて、先生に疲労度が非常に少ない。コンクリートの校舎に比べてはっきりと数値が出ています。     

風邪が流行って学級閉鎖が頻繁におこる学校の校舎はコンクリートであります。木造でも学級閉鎖はもちろんありますが、率が非常に低い、それぐらい自然のもので作られている木造校舎で勉強するということが、先生と子どもにとって心も身体もなかなか病気に負けない。くつろぐことができる場所になります。色も我々にとって和む気持ちにさせてくれるのであります。

  手触りについてであります。木に触れると温かい感じがします。木に触れると血圧が低く安定する。ところが金属に触れると血圧が上昇します。熱伝導率、熱がどれだけ伝わりやすいか示す値でありますが、例えば、このマイクの金属に私が触ります。すると、手が冷たいというのは、この金属の熱伝導率が非常に低い、金属に比べ330分の1ぐらい低いのです。だから触ると熱を伝わりにくいから温かい、これが木であります。ですから、お年寄りの方が階段などを歩く時の手すりなどは当然木にすべきだと思います。        

  しかも木はデコボコしているので、無意識に手元を探り脳の血流が活発になります。ツルツルのところでは脳の血流は活発になりません。何かゴツゴツしておかしいなと思うと人間の脳が働くのです。

だから学校などの子どもの机、私も昭和22年ですから机も椅子も全部木で、あちこち穴があいていたりデコボコで下敷きがないと字が書けない机と椅子を使っていました。それが子どもにとって非常によいことなのです。どこもかしこもツルツルで下敷きのいらない机だと子どもの脳の働きも、刺激が少ないような感じがします。

  それから食べるということです。食べるものは森の中に沢山あります。タケノコ、ウドなど様々な山菜はもちろんでありますが、山ブドウ、コクワ、マタタビ、木の実も沢山あります。どれもこれも身体の免疫力を高めて身体によいものばかりであります。

キウイはコクワの仲間であります。マタタビ科である。キウイは、中国が原産で小さかったが品種改良をしてニュージーランドに入り、大々的に栽培が始まりました。

日本でもキウイを栽培しています。ミカンの木を切ってキウイに変えているところもあります。もともとの名前は、チャイニーズベリーといっていましたが、ニュージーランドで大量に栽培してアメリカ売ろうとしたが、どうも名前が悪いということで、ニュージーランドの国の鳥の名前「キウイ」。飛べない鳥でゴロンとして形がキウイに似ていたので、キウイという名前でニュージーランドはアメリカへ輸出して大儲けをしました。   


  もう一つ余談ですが、タランボはウコギの仲間で、タランボは山菜の王者といわれています。ウコギは道東、北見などに沢山あります。ウコギは本当に身体に良く、健康飲料などに使われています。朝鮮人参は木でなく、多年草でありますが、朝鮮人参もウコギの仲間でありますので、春はタランボを沢山採って食べると、朝鮮人参を食べているようなものであり身体が丈夫になります。このように身体によいものが山の中にたくさんあります。   次につづく


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