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◎萩野小学校・地域から農業を学ぶ



  戦後・大野の農業用水は、大野川と久根別川でまかなっていたが、用水不足は深刻だった。その解決のために、「大野平野かんぱい事業」が行なわれた。この遂行のために先人の流した汗と苦労は、言葉では言い尽くせないものと聞いている。この事業完成を記す記念碑が、東前地区の萩野小学校敷地内に建てられている。

  この萩野小学校は、農業を題材にしての体験学習に取り組んでいます。「地域住民と児童の交流」を図るもので、稲づくり・もちつき集会などを通じて先輩の農業指導の活用をするというものです。また、農業の多面的機能を施設見学や体験で感じ取ることも。

大野町では、提案型の 「小中学校・地域協働事業補助金」 制度を設けこの活動を側面から応援しています。こういう活動を取り上げることは、限られた学習時間の中で確保することは容易なことではありません。果敢に挑戦する姿勢の教職員に感謝の拍手を贈るものです。北海道新聞 「教育ひろば」に 萩野小学校の取り組みが紹介されました。こういう教育を父母は求めているのではないだろうか。いっしょに考えてみましょう。



  田植えや水利施設見学 体系的に「食と農」学ぶ  北海道新聞 朝刊 2004・7・25 


  大野町立萩野小(大澤照雄校長)は本年度、函館開建や農水省農政事務所など食や農にかかわる五機関の協力で、農業を題材にした体験学習を行なっている。その一環で16日には、農業水利施設の見学会を開催、大沼などの水が身近な田んぼで米づくりに使われるまで、一連の流れを学んだ。

  本州では、すでに子供の農業や食への理解を深める「食育」をサポートする連携体制が整いつつあり、道内でもこうした仕組みを作ろうと函館開建が発案。道内では初の試みで昨年度、渡島支庁・農林省函館統計情報センターを含む四機関がプロジェクトチームを結成した。

  同チームは早速、昨年十月に萩野小で米の学習会を開催、好評だったため、引き続き同小で年間を通した体系的取り組みを始めた。新たに農業水利施設を管理する渡島平野土地改良区も加わり、同開建が全体の調整役となって内容を組み立てている。

  本年度は、まず五月中旬に全校児童三十八人が参加し、学校近くの田んぼで田植えを体験。六月中旬には、田んぼと周りの水路で生き物調査を行い、ウグイやタニシのほか絶滅危ぐ種のエゾホトケドジョウなども生息していることを知り、身近な自然を実感した。

  今回の農業施設水利見学会は、二度にわたって触れてきた田んぼを支える、多くの施設の役割を知ってもらう狙い。五、六年生児童十四人が参加して小沼取水口や大野川頭首工から揚水機場、用水路、北電の発電所などを巡った。

  児童らは見学後 「田んぼの水がどこから来るかなんて知らなかった」 「大沼の水が田んぼに届いたり、発電所で電気になったり不思議だった」 「水の仕組みが分かって面白かった」 などと口々に感想を話し、さまざまな発見ができた様子。函館開建農業開発課の 久本俊幸・企画調査係長は 「子供たちが少しでも食に興味を持ってくれれば成功です」 と振り返る。

  今後は、10月に収穫体験、12月に米のことを学び精米を体験する出前教室と続け、一年分が完結する。萩野小を対象にしたのは、田畑に囲まれた地域の方が親しみやすいだろうとの考えで、米の作況などによって学べる内容も変わってくるため、来年度以降も同小で続ける方針。希望があれば、他校にも広げていきたいという。


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