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◎植物に対する知識を教えてくれた 宗像英明・先生



  大野町は農業が基幹産業。大野平野にはさまざまな植物が生い茂っています。しかし、私たちはその存在・価値をよくわからないまま生活しているように思います。

また、匠の森やきじひき高原、毛無山や二股岳で咲く「山野草」の数は、はかり知れない数になります。しかし、これらも町民の皆さんはよくわからない、というのが本音ではないでしょうか。

  2002年の春・萩野小学校・教頭に、函館市内の学校から宗像英明さんが発令されてきました。経歴を見て、「大野町の植物」についてのガイドブック作成をお願いしましら、快くボランティアでの協力を受諾し、町のホームページで紹介に至りました。

山野草は山に咲いてるという感覚でした。しかし先生の活動は、生活している身近な所にもたくさん生息していること教えてくれます。また、住宅の在る地域で国内初確認というアブラナ科のエロフィラ・ベルナらしきものも発見したりと、植物に対する私たちの知識のなさにも警鐘を。

  田んぼがあり・畑があり・水路があり・水たまりがあり、そしてそこには植物があり・虫が生息し・小魚も住む。こんな平凡なことが環境を支えています。私たちが、子孫が、元気に日々を過ごせるように、身近な所に在る植物を知り、そして守ることも大切です。

  元萩野小学校・教頭 宗像英明さんは、大野町生活2年間で現存する植物の記録を残し、更に町民に対しスライドを使った講演で貢献してくれました。植物に対する認識を高めさせてくれたくれたことに、私たちは感謝しています。


 

「自然の素晴らしさ堪能して」 宗像英明 氏 2004・3・14 函館新聞サンデー・ネット掲載

  
  大野萩野小学校教頭の宗像英明さんがこのほど、大野町のホームページに植物図鑑「山野草」を開設した。町内の野山で撮影した花ばかり、285種類を収めた労作。「人と自然の関係について、考えてもらうきっかけになれば」と話す宗像さんに聞いた。

問い  植物に関心を持ったのは

  小学校6年生の時、父に連れられ大雪山に登りました。登山の魅力に触れたのと同時に、高山植物が持つみずみずしい美しさに心引かれました。その後、登山を楽しみながら、植物についても日々勉強。大学でも生態学を専攻していました。

問い  「山野草」開設のきっかけ

  大野には2002年春に赴任。町のHPにはまちの自然や歴史、芸術などを紹介する「eミュージアム」というコーナーがあり、吉田幸二町長から「大野の植物のページを作ってくれないか」と声が掛かりました。新たにお世話になるまちのため、何かお役に立てればと同年秋から撮影を開始。今回は約1年の成果を掲載しました。

問い  大野の自然の特徴は

  匠の森などがある北部はカタクリやシラネアオイなど、在来種が多く、北海道本来の自然が残されていると感じました。一方、宅地化が進む南部はアメリカセンダングサなど、帰化植物があちこちに。285種類のうち、4分の1程度は帰化植物でした。また、水田の周辺ではミゾカクシやミクリなど、環境に適した植物が見られました。

問い  利用者へのメッセージは

  大野の植物の入門書として活用してもらいたい。写真に簡単な解説を添えましたが、分別のポイントは専門書などで調べたほうが正確です。あちこちを歩き、大野には残すべき自然があると強く感じました。ただ、帰化植物が多いなど、人が自然に及ぼす影響の大きさについても考えさせられました。

大野には素晴らしい自然があることを知ってもらう。そして、人と自然の関係をあらためて見直すきっかけにしてもらえればと考えています。

  宗像英明(むなかた・ひであき)さんのプロフィール

   1958年 函館市生まれ
   函館植物研究会幹事  南北海道自然保護協会理事 日本自然保護協会自然観察指導員
   現在(2004・4から) 森町立尾白内小学校・教頭



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