タイトル 2000年10月1日発行
No.73 第68号
しらかば薬局

発行:しらかば通信編集委員会

20世紀も後3ヶ月を残すのみとなりました。今世紀最後のオリンピックでは、
選手一人ひとりが人間の尊厳と可能性を示して、私たちに勇気と感動をわけてくれました。
今回は、医療技術の発展に大きな道を切り開いたレントゲンのお話です。
しかし、使い方1つで悪魔の技術ともなります。何ごとも使う人間の問題です。
そもそも放射線とは何なのか、どのように利用されているのか、
道南勤医協稜北病院放射線科の綱渕幸彦さんにお聞きしました。

【 放射線検査とは 】

療で使用されるX線とX線診断の原理を簡単に説明します。
X線とは、電磁波で、紫外線(4000Å<Å:オングストローム>以下/1Å=0.1nm)や
赤外線(7600Å以上)と同じ波をもち、
その中で波長が短いものをX線(0.05〜2.5Å)といってます。
原理は、X線を人体に照射すると、人体の臓器や骨などの部分による硬さや厚さ、
空気などに応じて異なるX線透過率(通り具合)が見られます。
このX線透過を可視光線に変えて肉眼で観察します。X線の特徴として3点あります。



1...X線の透過性―  X線のエネルギーが大きい程、透過性は大となるが、
                      透過される対象物の密度や厚さ、原子番号が高いもの程、
透過性は小さくなる

2...X線の蛍光作用―  レントゲン(人名)が、X線を発見した作用で、
                  X線は、銀やタングステン酸カルシウムなどの
           蛍光物質にあたると光を発生する。

3...X線の写真作用―X線は感光乳剤(フィルム)を感光させる。


 胸部X線写真を例にとれば、肺はほとんどが空気で構成されているため、
X線の透過が良いのでフィルムには、黒く映し出され、
肺に流れる太い動脈や静脈のX線透過は空気より低いので白く映し出されます。


 【X線検査の種類について】

 1 X線単純写真撮影

 2 透視撮影

 3 コンピューテッド・トモグラフィ(CT)

 4 骨塩測定

などが有ります、それではこれらを説明します。


 1 X線単純写真撮影 

 体に直接X線を透過させて、フィルムに撮影する検査です、これにより体の病気を直接観察することができます。胸の場合、肺炎・胸水肺結核・肺がん・肺膿瘍・気胸・心肥大・胸部大動脈瘤などの病気の有無や大きさや形状を知ることができます、しかし、中には確定診断のために直接細胞を摂取したり、痰を検査します。しかし、早期肺癌のような小さな物は有無の判別がつかず、X線検査では見えない場合もあります。

 腹部の場合、胆石・腎結石・尿管結石・異常な小腸ガス像や大腸ガス像(イレウス)・小児の異物誤飲・便の状態・消化管穿孔によるガス・また肝臓や腎臓・脾臓・膀胱の形状と大きさが解ります。しかし、胃癌や大腸癌・肝臓癌などの性質を診断することには向いていません。

 骨の場合、骨の変形や欠損・関節の変形・代謝性疾患の骨粗鬆症や骨軟化症・骨折・骨腫瘍・脱臼などの疾患が解ります。骨撮影の場合、撮影方向が多いのが特徴で、
正面・側面・斜め又は、前後に曲げたりストレスを加えて撮影します、
これは正常の骨の位置や関節の状態との違いを見比べるためです。

 2 透視撮影について 

 撮影の他にX線の蛍光像をテレビにドッキングさせた装置を使用し、これによりX線が照射されている間、患者さんのX線像を見つづけることが出来る検査です。いろいろな使用法がありますが、おもに消化管系や脈管系(血管など)の造影検査が主となります。

 消化管系検査で一般的なものに、胃バリュウム・注腸バリュウム検査があります。胃バリュウム検査は、食道・胃・十二指腸までが検査の対象で、バリュウムを飲んでもらいバリュウムを粘膜に程よくのせることにより、癌や潰瘍・ポリープを見つけるのが目的です。
フィルム上には白く見えるのがバリュウムです。

 注腸バリュウム検査は、大腸全体が検査の対象で、
肛門よりバリュウムを注入しさらに空気を入れて撮影します。

 共に検査前に胃や腸の動きを止める薬剤を注射してもらい、効いたころ(大体5分位)から撮影します(注射が効かない人もいる)。胃バリュウムは前日の夜9時から検査終了の間は絶食、
注腸バリュウム検査は前日の朝からスケジュールにそったメニュー(病院により違いはある)を摂ってもらう、これは胃や腸をできるだけきれいにすればするほど、きれいな写真ができるためです。しかし、残査や便が多量にある場合、中止することもあります。検査後は、バリュウムによる便秘を防ぐため、いつもより水分を多く取ってもらい、下剤も飲んでもらっています。

 脈管系の造影検査は、動脈や静脈に注射器で造影剤を急速注入し、血管を白くフィルムに映し出す検査です、対象は、体の全ての血管になり動脈瘤・腫瘍・梗塞・狭窄などの確定診断に利用されています。また造影剤に薬剤を混ぜて治療が主目的の場合もあります。
 


  

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