タイトル 2000年8月1日発行
No.71 第66号
しらかば薬局

発行:しらかば通信編集委員会


高齢化社会の今、「寝たきり」や「痴呆」などの要介護問題は深刻な悩みとなっています。
今回は道南勤医協稜北病院の堀口信医師に「脳卒中」について書いていただきました。
リハビリテーションと、患者さんやご家族を応援しつづけるスタッフの重要性がよくわかります。 


脳卒中
◇◆◇◆◇ リハビリテーションの重要性 ◇◆◇◆◇



【 重要性を増す脳卒中リハビリテーション 】

 今後、日本の高齢者の増加に伴い生じてくるさまざまな社会問題が指摘されています。
その1つが、“寝たきり"や“痴呆"など要介護老人の問題です。

 
 寝たきりや痴呆などの要介護老人は、どちらも年齢が高くなるほど出現頻度が高くなります。たとえば、現在の要介護者の出現頻度は、65歳以上の高齢者のおよそ15%とされ、より高齢な人ほど発生頻度が高く、85歳以上では実に25%にものぼります。今後高齢化の進展とともに、急速にその数が増大することは確実で、1993年の200万人から、2010年には390万人、2025年には520万人と推計されています。
 
この“寝たきり"と“痴呆"の両者の原因疾患として最も多いものが脳卒中(脳血管障害)です。脳卒中の発症そのものを防止するさまざまな取りくみが大切であることは当然ですが、脳卒中が加齢で進行する脳動脈硬化症を基盤にもつため、残念ながらその発症をゼロにすることは不可能です。

 したがって、脳卒中を発症してしまった患者さんに対する治療として、リハビリテーション医療は、今後人口の高齢化に伴いますます重要性を増していきます。とくに高齢者では、二次的合併症の廃用症候群がいったん起こると不可逆的になり、これだけでも“寝たきり"や“痴呆"の原因となりうることから、早期からの十分なリハビリテーションが今まで以上にもとめられています。

 

 【 地域密着型リハビリテーション 】  

 かつて日本のリハビリテーション医療の中心は,温泉地などに多く作られた遠隔地型リハビリテーション専門病院でした.それに対し、リハビリテーション早期開始のためには都市型病院におけるリハビリテーションの重要性が指摘されてきました。

 とくに今後は,増加する高齢患者さんに対して、住みなれた地域での退院後の生活を援助できるような地域密着型のリハビリテーション部門が重要になっています。

 このような地域密着型リハビリでは,理学療法士、作業療法士、医療ソーシャルワーカーといったリハビリの専門職がいて、リハビリの担当医師、看護婦、介護職員とチームをくんで患者さんのリハビリにあたっています。医師を含めた各職種がバラバラにはたらくのではなく、個々の患者さんに対して共通の認識・治療目標をもってかかわることが大切にされます。函館稜北病院の2階療養型病棟は、このような地域密着型リハビリテーションをめざしています。


[しらかば通信] [退院にむけて]