タイトル 2000年4月1日発行
No.66 第62号
しらかば薬局

発行:しらかば通信編集委員会

新年度となり、いろいろ新しいこと、知らないことなどたくさん出てきて、
何かと忙しい時期ですね。
さて今回は、ほとんど知られていないけれども、
それほどめずらしくないと言う病気、乾癬(かんせん)という皮膚病にいついて、
函館中央病院皮膚科の古屋和彦先生と、伊藤圭先生に書いていただきました。

乾癬とは

 乾癬とは炎症性角化症という分野に含まれる皮膚病です。
赤く盛り上がった発疹(紅斑)に、銀白色のかさかさ(鱗屑)がつくのが特徴です。
約半数の方に痒みをともないます。
 内臓の病気とは関係ありません。また、人にうつる(伝染する)こともありません。
(親から子どもに乾癬の素因が遺伝することはあると言われています。)
 亜型として、全身が赤くなる紅皮症型、関節痛をともなう型、
うみをもった発疹をともなう膿疱性乾癬という型がありますが、
一番多く一般的にみられる乾癬を「尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)」と言います。


(好発部位)  
頭、肘、膝、臀部。ときに全身に広がることもあります。

(原因)
原因は不明ですが、素因のある人にストレス、感染症(かぜ、扁桃炎など)を含む種々の引き金因子が加わり、発症すると考えられています。

(皮膚の構造と乾癬の皮膚)
乾癬では表皮が生まれ変わる日数が約4日間に短縮しています。(正常皮膚は約28日間)

(その他)
 患者数は1000人に1〜3人の割合と言われており、欧米では100人に2〜3人と、めずらしい病気ではありません。  男性に多く、発症年齢は20〜50歳です。

(乾癬の治療)
現在のところ、根本的治療法はまだ見つかっておりません。各種治療法を症状に合わせて組み合わせて行います。慢性にくり返す皮膚病なので、症状を悪化させないよう、日常生活に支障のない程度に発疹をコントロールすることを目的とし、根気よく続けていくことが大切です。  

 下記に治療法およびその特徴を簡単に示します。

  軽症         中等症         重症

          ステロイド外用薬            

          ビタミンD外用薬           

                        エトレチナート   

                        シクロスポリン   

         紫外線療法(PUVA療法)         

    
1)ステロイド(副腎皮質ホルモン)外用薬  
    湿疹などでも使われている外用薬です。炎症を抑える効果があります。

 強さが5段階に分類されています。効果は比較的速やかに発現します。

 体の強めの軟膏を顔につけたり、漫然と長期間使用した場合、以下の副作用があらわれることがあります。皮膚が薄く弱くなる、血管が浮き上がる(毛細血管拡張)、ニキビ様の発疹が出現するなどです。

 また、急にやめるとリバウンドをおこし急激に悪化したり、ステロイド外用で治した乾癬の皮疹は再燃性が早いことも言われており、医師の診察のもと正しい外用をしましょう。

 
2)ビタミンD
表皮細胞の増殖抑制作用があると言われており、乾癬のような角化症に特有の外用薬です。効果があらわれるまでに多少時間がかかります。

 顔などステロイド外用薬が副作用を起こしやすい部位にも使えます。

 ステロイド外用薬に比べて再発までの期間が長いと言われております。


3)紫外線療法(PUVA療法)
   病院では、ソラレンという紫外線を吸収しやすくする外用や内服をした後、紫外線をあてる機械を使い行います。同様に日光浴は効果があります。ただし、急な日焼けは逆効果ですので注意してください。

4)その他
   重傷の患者さんには、エトレチナート(ビタミンAの誘導体)やシクロスポリン(免疫抑制剤)も使用(病院で処方)することもありますが、催奇形性(避妊が必要)があったり、肝機能障害をおこすこともあり、詳しくは医師に御相談下さい。

(日常生活の留意点)
   乾癬は皮膚に強い刺激を加えると悪化や新生をします。白いかさかさを無理にはがさないようにしましょう。下着や洋服は少しゆったりしたものにしましょう。また、お風呂に入ることは良いですが(普通の石鹸でよい)タオルはやわらかいものを使用し、ゴシゴシこすらないようにしましょう。

 かぜ(感染症)などによって悪化することがあります。かぜをひかないように注意したり、虫歯などがあれば早めに治療しましょう。

 また、ストレスによって悪化すると言われております。上手に気分転換をはかり、生活のリズムをくずさないように気を付けましょう。とくに食べ物の制限はありませんがバランスのとれた食生活をし、太り過ぎには注意しましょう。

  乾癬は慢性にくり返すことのある皮膚病です。治療は根気よく続けていきましょう。

 不安や疑問はひとりで悩まず、医師に御相談ください。


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