タイトル 1999年11月1日発行
No.61 第57号
しらかば薬局

発行:しらかば通信編集委員会

いよいよ、冬の足音が聞こえてきそうな季節となってきました。
先日、市内の高校生が浜辺に落ちているプラスチックの種類を分類し
たという記事がありましたが、海のプラスチック汚染は私たちが考える
以上に広がっているようです。今回は、『プラスチックの海洋汚染』
について、本年度の市民公開講座で北海道大学水産学部の
小城春雄教 授がお話しされた講義録を参考に考えてみます。


  私たちの日常生活の中で、実際に手にとって使用したり、眼にとまるものの中にプラスチック製品がどのくらいあるのか点検してみて下さい。
ちなみに、家庭の居間の中を、壁紙をはじめ電化製品、家具調度、食器、文房具、玩具とたどって行くと、
あまりにプラスチック製品が多いのに改めて驚くことでしょう。プラスチック製品が出まわり始めた1960年代初めには、
プラスチック製品は代用品のイメージが強く、機能と安価のために購入する傾向がありました。
ところが現在は、あらゆる製品にプラスチックが使用され、正品としてまかり通っています。
私たちの感覚にはプラスチックは安全なものという神話が何時の間にやら出来てきました。本当にそうなのでしょうか。
使用目的に応じて如何様にも加工できるプラスチックは、化学的に極めて安定で、決して腐らない。
しかし、一度ゴミとして環境中に放出されると、どうなるでしょう。陸上で投棄されたプラスチックは、
河川や下水を通じてかなりの量が海へと流れ下っています。
世界の海洋環境中のプラスチック汚染の状態がどうなっているのか紹介しながら、 どのようにしたらプラスチック汚染を防止できるか一緒に考えていきたいと思います。




 世界のプラスチック生産量の推移

 わが国の生産量の年別推移を見てみると、1960年には僅か55万トンですが、
1990年には1,264万トンまでに増加しています。1993年の世界の生産量は1億761万トンで、 日本はアメリカに次いで第二位で世界の11%を生産しています。
 


沖合い域のプラスチック汚染

1971年に、北大西洋のサルガッソ海で行った海洋表層に浮遊するプラスチック粒子の分布調査で、 1平方キロメートル当たり平均3,537個(範囲:47〜12,080、n=11)のレジンペレットやプラスチック製品類の
小破片が発見されました。レジンペレットが海岸線から遠く離れた沖合の表層域で見出されたということは 石油コンビナートで作られたレジンペレットが、プラスチック製品を作る工場まで輸送される過程、 あるいは製品を作る工場での取扱い過程等において、何らかの理由で環境中に漏出し、 下水や河川を通じて河口域へと流れ下り、潮流、海流、吹送流に運搬され、外洋域にまで達したことを意味します。

レジンペレット

   プラスチック製品を作る製造工場で圧縮成形、射出成形などのように、密閉
  金型中でプラスチック製品へと形成するのに適したプラスチック原材料のこと
  です。形態は粉末状、粒状、ペレット状、チップ状等種々あり、 可塑剤、安定
  剤、充填剤、着色剤などがすでに配合されています。この内、直径約2〜5o
  程度の粒状やペレット状なものの総称 
                  


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