タイトル 1999年10月1日発行
No.60 第56号
しらかば薬局

発行:しらかば通信編集委員会

 だんだんと寒くなってきましたが、皆さん風邪などひかぬ様に、
健康管理には十分注意し、日頃から強い体をつくっておいて下さい。
今回は女性にとっては悩みの種でもあります「婦人科の病気」につ
いて函館中央病院産婦人科の十亀真志先生にお話しして頂きます。


 いろいな婦人科の病気の前ぶれにはいくつかの症状があります。 年に一回、総合病院や婦人科クリニックで癌検診と同時に診察を
うけていらっしゃる方は、そのときにチェックをうけているはずですが、
そうでない方は、少しでもおやっと思われる症状があったときにおっくうがらずに、
あるいは多分何ともないだろうとたかをくくらずにすぐに外来受診されることをおすすめします。



 月経が発来してまもない10代のころの生理不順は、卵巣を刺激するホルモンの分泌の未発達による場合が多く、
  注意すべきは、出血が長引く事による貧血です。
時には輸血が必要なほどひどい貧血になってから来院される場合もあるため、母親が時おり、 娘の月経の状態に注意をはらっておく必要があります。
内科などでも貧血の検査は可能ですが、
ホルモンのアンバランスに起因する出血には、ホルモン剤の投与による止血が必要なことが多く、 やはり婦人科クリニックや総合病院の婦人科外来を受診すべきでしょう。
また、15才すぎて月経が発来しない場合も、放っておかずに母親同伴で外来を受診し、 最低でも血液検査と腹部超音波検査を受けておく必要があります。

癌検診は通常30才を過ぎてからで十分と考えられておりますが、20代、まれには10代のうちから、
前癌病変がみつかることもあり、不正出血があれば、必ず婦人科外来を受診し、
癌検査を受けておく必要があります。癌とよばれるもののうちで、
遺伝的にその発生がさけられないものもありますが、その多くは個々人の生活習慣の中で、
発癌のひきがねが引かれていくと考えられており、婦人科でいうと子宮頚癌の発生においては、
個人の性生活と関係が深く、はやくから性交渉をもった方や、多数の相手と交渉をもった方、
また妊娠、出産回数の多い方により多く発生するとされており、頚癌の発癌においては、
パピローマウイルスといわれる病原体が、子宮の入り口の細胞に変化を起こすことと関係していることが
わかっております。子宮体癌においては、高血圧や肥満あるいは糖尿病といった体質が、
その発生の誘因になりやすいといわれているほか、生理不順とくに排卵がうまくいっていないタイプの月経を
くり返す人や、一度も妊娠や出産をされていない人に発生が多いとされており、エストロゲン(女性ホルモン)自身が、
癌の発生にかかわっていると考えられております。
ですから癌の予防という点からみて、癌の2次予防として、
子宮癌検診を定期的にうける他に、1次予防として、いくつかの個人生活のレベルで癌の発生を未然に防げる可能性は
あると考えられます。

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