正常の右鼻腔
 鼻水がでる
急性鼻炎(鼻水がでる。風邪ぎみで体がだるく、熱っぽい。)
アレルギー性鼻炎(一年中、くしゃみ、みずっぽい鼻水、鼻づまりがある)
花粉症(毎年、春、秋の季節の変わり目にくしゃみ、鼻水、鼻づまりがあり、眼もかゆい)
急性副鼻腔炎(風邪のあとの黄色い鼻汁がなおらない。またなんとなく顔に鈍痛がある)
慢性副鼻腔炎(いつも黄色い粘り気のある鼻汁がでる。またのどの方にも鼻が落ちてくる) 
 鼻がつまる
アレルギー性鼻炎(一年中、くしゃみ、みずっぽい鼻水、鼻づまりがある)
花粉症(毎年、春、秋の季節の変わり目にくしゃみ、鼻水、鼻づまりがあり、眼もかゆい)
鼻中隔弯曲症(いつも片側の鼻の通りが悪い)
アデノイド(こどもで、いつも鼻がつまっていて口で呼吸している。いびきも大きい) 
 鼻血がでる
鼻出血(鼻をかんだら血がでる。右からでたり、左から出るたりする)
上顎癌の疑い(片側からばかり鼻血がでて、同じ側の鼻づまりや、臭いのある鼻漏がある。頬も少し痛い)
 臭いがわからない
嗅覚障害(最近においを感じなくなった)
 顔面が腫れる
術後性上顎のう胞(顔面が腫れてきて鈍い痛みがある。10年以上前に副鼻腔炎の手術を受けた)
上顎癌の疑い(顔面が腫れて、歯に響くような痛みがある。同じ側から臭いのある鼻漏がでて、また鼻出血も多い)
 顔面神経麻痺
ベル麻痺(ある日突然、顔の筋肉が片側麻痺しているのに気づいた。目が閉じにくく、また飲み物が口角から漏れる)
ハント症候群(ある日突然、顔の筋肉が片側麻痺した。同じ側の耳も痛く、耳鳴りやめまいもする) 
真珠腫性中耳炎(悪臭のある耳だれがあり、聞こえも悪い)
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鼻、顔面の病気

 アレルギー性鼻炎

水性鼻汁のたまった鼻腔

―文字どおりアレルギーに起因します。一年中症状のあるものは家ダニを含んだ家庭ゴミ(ハウスダスト)が原因となっている場合が多いです。アトピー性皮膚炎、喘息などが合併することがあります。
―おもな症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり。鼻の中や眼がかゆくなったり、咳がでることもあります。
―アレルギーの原因となる物質(抗原、アレルゲン)がわかっている場合の治療は、原因物質を除去し、回避することが基本です。完全に除去し、回避することは容易なことではありませんが、症状を少しでも軽くするために、身の回りの環境の整備に努めることが大切です。根治的治療としては抗原の抽出希釈液による減感作療法が行われます。ただし、この治療は長い間継続して行わなければならず、根気がいります。症状がそれほどひどくなく、一時的に症状を抑えるには抗アレルギー剤の内服、点鼻液、吸入液などを用います。鼻づまりが強い人には手術を行うこともあります。

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 花粉症

―アレルギー性鼻炎のなかでも草木の花粉が原因となっているものをいいます。花粉がたくさん飛ぶ時期にだけ、症状が現れます。本州では杉の花粉症が有名です。道南では、春はチモシー、カモガヤ、タンポポなど、夏の終わりから秋にかけてはブタクサ、ヨモギ類が多くみられます。
―くしゃみ、鼻水、鼻づまりですが、眼がかゆくなったり、咳がでたりの症状も強いです。ひどい時にはゼイゼイと喘息様の症状にもなります。風邪と間違われることもあります。
―季節的な(一時的な)症状なので根治的な減感作療法は治療を受ける側も消極的な場合が多いようです。症状の強い時期だけ抗アレルギー剤、点鼻薬、吸入薬を使用します。

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 急性鼻炎

―いわゆる「鼻かぜ」です。ウイルス感染が本態ですが、発症には気象条件、疲労、栄養、体質、環境などが大いに関係します。
―最初は軽い鼻の乾燥感やかゆみがおこり、これに続いて、くしゃみ・水っぱな・鼻づまりなどがおこります。鼻みずはしだいにねばっこくなり、その後治癒します。全身的には熱がでたり、体がだるかったりもします。
―初期には抗ヒスタミン薬、解熱鎮痛薬が効果がありますが、保温に気をつけ、安静を保つことが大切です。黄色い鼻漏がつづく時は、次項の急性副鼻腔炎に波及することがあるので気をつけます。

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 急性副鼻腔炎

鼻の奥からでている膿性鼻汁

―いわゆる鼻かぜ(急性鼻炎)から起こり、ウイルス感染から細菌感染へと移行する場合が多い。虫歯から感染する場合もあります。
―鼻づまり、鼻みず(ねばっこい黄色い鼻みず)が主な症状で、頬が痛い、鼻のつけ根が痛い、おでこのあたりが痛いなど症状もでます。全身的には熱がでたり、体がだるかったりもします。
―全身的に抗生物質、消炎剤などを投与します。局所には血管収縮薬を使用して粘膜の腫脹を取り去り、分泌物の排泄をよくします。さらにネブライザー療法を行います。

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 慢性副鼻腔炎

正常の副鼻腔CT像
黒っぽく抜けている
副鼻腔炎のCT像
灰色っぽく陰がでている

―慢性化の原因にはいろいろなことが言われています。体質、アレルギー、細菌の種類、鼻腔や副鼻腔の形態などです。
―鼻づまり、黄色鼻漏、嗅覚障害が主な症状です。頭痛や頭重感もよく訴えられる症状です。気管支炎、気管支拡張症を合併している場合(副鼻腔気管支症候群)には、鼻汁のみならず咳や痰も多く出ます。
―急性の場合と同様の治療を根気よく続けます。重症の場合は手術になります。以前は上顎洞と篩骨洞の病的粘膜を除去する根治手術が主に行われていましたが、最近では内視鏡やレーザーを用いて鼻の中から副鼻腔との交通を良くする機能温存手術が発達してきており、外来手術の可能な例が増えています。

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 鼻茸(はなたけ、鼻ポリープ)

左鼻腔にできた鼻茸

―慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎があると、鼻の中に寒天状の軟らかいできものが出来てきます。腫瘍ではなく炎症による産物です。
―小さなうちはあまり症状はありませんが、大きくなって鼻腔をふさぐようになると、鼻づまりや鼻汁がでたり、嗅覚障害、頭痛などの不快な症状が出てきます。
―薬剤で小さくなるタイプの鼻茸もありますが、完治はしません。単発のものは外来での簡単な手術、原因である慢性副鼻腔炎が高度の場合はその手術も併せて行う必要があります。

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 アデノイド

―アデノイド自体は鼻の奥(上咽頭)にあります。別名、咽頭扁桃とも呼ばれ、鼻から侵入した細菌やウイルスを検知して全身の感染防御を行う組織で、口蓋扁桃とだいたい同じ働きをします。年齢とともに増殖し、そのピークは6歳くらいですが、あまり大きくなり過ぎるといろいろな症状を起こしてきます。
―鼻の通りが悪くなり、口で呼吸するようになります。いびきもかきます。また、蓄膿症(副鼻腔炎)や中耳炎を起こしやすい原因ともなります。
―アデノイドが原因で鼻づまりが強いとき、急性中耳炎を頻繁に起こしたり、滲出性中耳炎の原因になっているときは手術を行います。ただし、アデノイドはいずれ小さくなるものなので、様子をみることもあります。

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 鼻中隔弯曲症
 

鼻中隔弯曲の代表的な型

―鼻中隔は左右に鼻腔を境するついたてのようなもので、骨と軟骨でできています。この骨と軟骨の発育の不均衡によって弯曲がおこるという説が一般的です。
―直接の症状は鼻閉(鼻づまり)です。嗅覚障害、頭痛、凸側の鼻出血傾向、通気障害による耳管狭窄症状もしばしば起こります。また、鼻炎や副鼻腔炎の慢性化をきたす原因ともなります。
―根治治療は手術しかありません。しかし、鼻中隔はほとんどの人が多少は曲がっているので、曲がっていることがただちに手術の適応になるとはかぎりません。弯曲がいろいろな障害をおこしていると診断された場合に手術を行います。

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 鼻出血

キーゼルバッハ部位
(鼻中隔)からの小出血

―鼻腔にはキーゼルバッハ部位という血管が豊富で、出血しやすい部位があります。鼻には吸気の加温、加湿のために極めて多量の血液が循環しており、ちょっとした傷からも出血しやすいのです。通常は鼻かぜ、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎があると、炎症によるただれも加わって出血しやすくなります。
―ごく軽いものは鼻の位置を高くして、入り口に綿球を詰めて鼻を左右から強くつまんで5分くらい圧迫すると止まります。これでも出る場合は耳鼻咽喉科の専門医を受診のこと。薬液で出血部位を焼灼したり、電気凝固したりします。出血が多量の場合は鼻腔内をガーゼでびっしりタンポンします。
頻回に繰り返したり、血がなかなか止まりづらい場合は他の病気(血液疾患、肝臓疾患、腎炎、悪性腫瘍など)がかくれていないかどうか精密検査が必要です。

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 術後性上顎のう胞

―従来の慢性副鼻腔炎の根治手術で、病的粘膜をすべて除去すると、年月がたつにつれ手術腔は次第に軟部組織で埋められた瘢痕になりますが、これが不均一に埋まると一部が袋のように取り残されます。この中に粘液がたまり上顎嚢胞(じょうがくのうほう)となり、いろいろな症状がでてきます。
―一般的には顔の腫れと痛みがでてきます。その他に、嚢胞が眼の近くにできると眼球突出や眼球偏位のためにものが二重に見えます。ひどい時には視力が落ちることもあります。下のほうに嚢胞ができると歯ぐきがはれてきます。
―一時的に症状を軽減するには注射針で貯まっている液を抜くこともあります。根治治療は手術によって嚢胞に大きな窓を開けて鼻腔内に交通路を作り、内溶液が鼻腔に排泄されるようにします。

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 副鼻腔のう胞

―副鼻腔(左右に4対あります)は鼻腔との間に小さな出入り口(自然孔)があります。この自然孔が閉塞して分泌物が貯まってのう胞状に変化していくと考えられています。前頭洞や篩骨洞にできることが多いです。前項の術後性上顎のう胞とは類似疾患です。
―圧迫による症状があらわれます。眼窩方向に圧迫が生じると眼球突出や複視がおこります。額や鼻の付け根付近が腫れたりもします。奥の方に圧迫が進むと視力障害がでてくることもあります。感染が加わると皮膚の発赤や痛みがあらわれます。
―一時的に症状を軽減するには注射針で貯まっている液を抜くこともあります。根治治療は手術によって嚢胞に大きな窓を開けて鼻腔内に交通路を作り、内溶液が鼻腔に排泄されるようにします。

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 上顎癌の疑い

―上顎洞に発生した癌で、組織的には扁平上皮癌とよばれるものが大部分です。
―片側の副鼻腔炎様の症状ではじまることが多い。すなわち、どちらか片側だけの鼻閉、悪臭があって時々血がまじるような鼻漏、更には顔の痛みや腫れ、上あごの腫れ、歯痛などがでてきます。
―癌の治療には放射線療法・化学療法・手術療法・免疫療法がありますが、個々人の状態にあわせて先の治療法を組み合わせて行うことが多いです。いずれにしても早期発見、早期治療です。。

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 嗅覚(きゅうかく)障害

―嗅覚を感じる細胞は鼻の天井にあります。この付近の粘膜腫脹や鼻汁があると、臭いの素が届かないことになります。病気としては鼻かぜ、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎など。かぜのウイルスで神経そのものが障害される場合もあります。交通事故や打撲で神経が障害されたり、脳(中枢)の障害でにおいの認識ができない場合もあります。
―全くにおいを感じないものを嗅覚脱失、においがある程度残っているものを嗅覚減退といいます。いろいろな検査で嗅覚障害の種類や程度を調べます。
―鼻の病気が原因の場合はその治療をします。さらにステロイド剤点鼻やビタミン剤の内服を行います。嗅覚脱失のときは治療は困難ですが、少しでも嗅覚が残っている場合は根気よく治療することが大切です。

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 ベル麻痺

―原因不明の突発的な顔面神経麻痺をいいます。最近では単純ヘルペスの感染によるという説が有力です。
―額のしわ寄せができない、目が閉じにくい、飲み物が口角から漏れる、などの症状がでてきます。他の神経症状はありません。
―ステロイド剤、血管拡張剤、ビタミン剤などを用います。筋肉を鍛錬するためのマッサージも大切です。時間はかかっても(長いもので1〜2年)、大部分は徐々に回復してきます。

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 ハント症候群

―帯状疱疹ウイルスが顔面神経や聴神経に感染しておこる病気です。
―次の3つが主な症状です。1)顔面神経麻痺、2)耳介や外耳道に痛みを伴う水疱状の発疹ができる、3)難聴、耳鳴り、めまいが一緒におこる。以上、3つの症状が全部そろっている場合もありますが、1つ欠けることもあります。
―前項のベル麻痺の治療とほぼ同じですが、初期には抗ウイルス剤を使用することがあります。ベル麻痺より治りは悪いです。

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 真珠腫性中耳炎

―慢性中耳炎のひとつであり、表皮が鼓室のなかに入り込んで周囲の骨を壊しながら徐々に大きくなります。
―最初の症状はふつうの慢性中耳炎と同じですが、しだいに悪臭のある耳だれになり、難聴も高度になります。さらに骨破壊の程度によって、頭痛、めまい、顔面神経麻痺などが起こります。さらに進んで髄膜炎、脳膿瘍などをひき起こすこともあり注意が必要です。
―外耳道から取れる限りは外来の処置で取りますが、奥に進んだもの、大きいものは手術が必要です。

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 このページに載っている病名

アレルギー性鼻炎 花粉症 急性鼻炎 急性副鼻腔炎 慢性副鼻腔炎
鼻茸 アデノイド 鼻中隔弯曲症 鼻出血 術後性上顎のう胞
副鼻腔のう胞 上顎癌 嗅覚障害 ベル麻痺 ハント症候群
真珠腫性中耳炎