別名「動揺病」ともいいます。
車酔いや船酔い、遊園地の仕掛けなどの受け身の運動、
シネラマ酔いやシュミレータ酔いなど大画面の移動、
宇宙酔いやパラボラ・フライトなど重力の変化 などいろいろな状況で起こります。
動物全般の一種の警報装置みたいなもので、病気というわけではありません。
科学の進歩によって、自動車、列車、飛行機、エレベーター、エスカレーターなど様々な新しい乗り物が発明されるたびに、新たな乗り物酔いの原因が増えているともいえます。
- 乗り物の揺れによって、内耳の平衡器官が過剰に刺激され、
加えて、目から入ってくるまわりの景色と自分のいる場所との関係に混乱が起きてしまう状態です。
- 外からしきられた空間でおこりやすく、これは実際は乗り物は移動しているのに、脳の方は静止していると錯覚し、内耳が感じていることと、脳が感じていることにギャップが生じてしまうためです。
- 脳が疲れていると酔いやすい−睡眠不足、空腹(低血糖)、疲労、深酒、感冒、混雑した車内(酸素不足)など。
- 気分が悪く顔色が蒼白になり、冷や汗をかき、生唾が多くなり、吐き気がして吐いてしまうという自律神経症状が主体です。
- 頭痛やめまいも起こります。
- 高齢者や小さい幼児は酔いにくく、男女を比べると女性のほうが酔いやすい傾向があります。
- 3歳くらいまでは乗り物酔いは少ない。
- 自分の力で動ける年齢になると乗り物酔いが出てきます。
- 小児期は酔うというよりも、頭痛やバランスの障害が強く出ます。
- 思春期をこえる頃からバランスの障害が弱くなる代わりに、酔いの程度が強くなります。
- はじめて経験する乗り物で酔いやすい傾向もあります。
(訓練された宇宙飛行士でも宇宙酔いを起こします)
右の図は有名な福田 精先生の書かれた本に掲載されているものです。
・バスは右側に曲がろうとしてハンドルをきっているところです。
・運転手(A)は外界の景色がよく見え、なおかつ遠心力を感じないように体を右側に傾けています。
・積極的な行動をとることにより、空間をたくみに利用してバランスをとっているわけです。
乗客(B)は外界から隔絶されています。
・バスの動きに受け身となって、遠心力を感じてバランスをくずしています。
・この繰り返しでだんだん気分が悪くなってきます。
・運転手と乗客の体の傾きが逆になっていることに注目してください。
椅子に座っている乗客(C)は中間的な状態にあります。
・乗客(B)と同じく外界から隔絶され、遠心力を受けていますが、固い背もたれによってその力を半減させているといえます。
・乗り物に乗ったとき、きそって座席を奪い合うのは、座ることが体力的に楽であるということだけではなく、知らずしらずのうちに座ったほうが酔いにくいという経験からきているものです。
一般的な乗り物酔いの防止には
- 前日は睡眠をしっかりとる
- 早朝の出発の際は、2〜3時間前から起きて、頭をすっきりさせておく
- 出発前に軽く(腹八分目)食事をとる
- 揺れの少ない座席を選び、深く座る
- ゲームをしたり、歌をうたったりして気分をそらすようにする
- 酔いやすい人は、あらかじめ酔い止めの薬を飲む
電車の場合
- 空いていれば座る
- 座れなければポールにしっかり掴まる
- 運転席の直後に立ち、進行方向をみる
- つり革はあまり良くない
列車の場合
- 進行方向に向かうように座る
- 座れなければ進行方向に向いて立ち、体を安定させる
- 振り子電車は良くない
バスの場合
- 運転席のすぐ後ろに座り、運転方向をよくみる
- 座れなければポールにしっかり掴まる
- つり革に掴まって揺られるのはあまり良くない
飛行機の場合
- 外界がよく見えないので、酔いやすい人はあらかじめ酔い止めの薬を飲む
- 少しアルコールを飲んで寝てしまうのも一方法
船の場合
- キャビンの中にいるのは良くない
- 船首に近いデッキに出て、遠方の水平方向を見る
- しけの時はあきらめて、酔い止めの薬を飲んで眠る
自家用車の場合
- シートは固いものにする
- 後部座席に乗り、シートベルトをしっかり
- 通気をよくし異常臭気を出さないようにする。
- 免許証を持っている人は、自分で運転する
もし酔って具合が悪くなったら
- 横になって頭を動かさないようにして、冷たい風にあたって、ベルトや衣類をゆるめ安静にする
- 酔い止めの薬があれば、それを飲んで眠るようにする
- 症状が重いときには、乗り物から降りる以外に方法はありません
積極的に治すには
- ふだんから運動をよくして、内耳が乗り物の動揺に対して強くなるように、鍛えるしかありません。
- ブランコ、鉄棒、マット上での回転運動、ダンスなどのように、頭や体を激しく動かし、内耳を強く刺激するのが効果的です。
- 自分の子供さんに将来辛い思いをさせたくなければ、ヨチヨチ歩きができるようになったら、遊園地での遊び(ブランコ、シーソー、すべり台、回転ツリー、コーヒーカップなど)を積極的にさせることです。