特別な原因がなく、最大血圧(収縮期血圧)が、つねに90-100mmHg以下である場合を一般に低血圧症といいます。
低血圧では不定愁訴として「めまい」を訴えることがあります。その多くは回転性めまいではなく「立ちくらみ」です。
また、低血圧が長く続くと「倦怠感」、「肩こり」、「頭重感」、「記憶力減退」、「作業能の低下」などを起こしてきます。
しかし、これらの症状がみられる頻度は低血圧症の人の10%にも満たないとされています。
多少血圧が低い程度で、これらの症状が何もないときにはそれ程心配いりません。
このほか、慢性に経過するものでは心臓の病気や内分泌の病気で低血圧を起こすことがあります。

 横になっていたり、座った姿勢から急に立ち上がったときの急激な血圧の低下により、立ちくらみや失神を頻回におこすことがあります。このような状態を起立性低血圧症といいます。
一般に、急に立ち上がったときには、重力により血液が下半身にたまり、心臓に戻ってくる血液が減少するので、心拍出量が低下し、血圧が低下する傾向にあります。
ふつうは交感神経の働きにより、反射的に末梢の動静脈が収縮し、心拍数も増加することによって、血圧が過度に低下するのを抑えています。
しかし、起立性低血圧症の患者ではこの機構が障害されるために、起立による低血圧がおこると考えられています。
一般に起立性低血圧症の予後は良好です。自覚症状が軽度の場合は、治療の必要はありません。

 この病気は小学校高学年から中学生の少年少女期に発症し、起立性低血圧による立ちくらみ、めまい、疲れやすいなどの症状を示します。一種の自律神経失調に基づく病気です。詳しくは「小児のめまい」の項を参照してください。

 高血圧症とは、くり返し血圧を測定しても高血圧の状態がつづいていることをいい、ストレスなどによる一時的な血圧上昇は高血圧症ではありません。
高血圧とは、おおむね、最大血圧(収縮期血圧)140mmHg以上、あるいは最小血圧(拡張期血圧)90mmHg以上の状態をいいます。
ときに、頭痛、めまい、動悸、息切れ、疲れやすいなどの症状を訴えることもありますが、高血圧症が長く持続し、脳、心臓、腎臓などの重要な臓器に障害がおこらない限りほとんどの場合、目立った症状はありません。それだけに普段から時々血圧のチェックをしておきましょう。

日本高血圧学会による血圧の分類
(成人における血圧の分類)
分類 収縮期血圧(mmHg)   拡張期血圧(mmHg)
至適血圧 <120   かつ   <80
正常血圧 <130   かつ   <85
正常高値血圧 130〜139  または  85〜89
軽症高血圧 140〜159  または  90〜99
中等症高血圧  160〜179  または  100〜109
重症高血圧  ≧180   または  ≧110
収縮期高血圧 ≧140    かつ   <90

 めまいがするということで病院を受診し、はじめて血圧が高いことを知らされる人も少なくありません。
また健康診断などで血圧が高いことを知らされたことがストレスになって、精神的な不安から血圧がますます動揺し、それまで感じていなかっためまいを訴えることもあります。
これらのめまいは、自分がフワフワするとか、見るものがチラチラするなどの浮動性のめまいが多いようです。
また、激しい回転性めまいの時には気が動転して、高血圧症でない人も多少血圧が高くなることがあります。
一時的な血圧の変動に惑わされずに、普段から自分の正常な血圧の範囲や症状などにつき医師とよく相談しておきましょう。