私事で恐縮ですが、今年から釣りを始めました。北海道は本当に自然に恵まれており、近くの海でいろいろな魚が釣れます。釣れる魚のほとんどは食べることが出来、今年は菜園の野菜と一緒に何度か食卓に登場しました。
畑で収穫した野菜4〜5種類と、釣れた魚2〜3種類、結構なバリエーションになります。しかし、野菜も魚もわずかな量ですから、我が家の食料自給率は、せいぜい1パーセントにも及びません。
でも、0%だった時に比べて、わずか1%であっても自給できるようになると大きな変化が生まれます。
菜園で野菜を作る前は、野菜は買うもの。魚も同じようにお金を出して買うものでした。
この価値観、行動パターンは40年間同じであったものが、最近は、本当にわずかですが、買うだけではなく、獲るという選択肢が生まれました。
今まで、スーパーに行って、まず、夕飯のメニューを考え、それにあわせて食材を調達していたのに対して、最近は手に入った食材にあわせてメニューを考えるようになりました。同じ種類の魚であっても、獲れた数や大きさによって出来る料理の種類が異なります。
今まで当たり前と感じていた平凡な世界が、驚きや喜び、ときに失望と様々な感情をもたらしてくれるようになりました。
0%は、何をやっても、常にゼロですが、1%なら、ちょっとした努力や工夫で、すぐに2%や3%に増やすことが可能です。時にゼロに戻ることもありますが、これは何もしない時のゼロとは意味が違います。
今年やれなかったことでも、「来年はこうしてみよう、ああしてみよう」と新たな楽しみが生まれます。自然相手で、結果が思い通りにならなくても、「やりたいこと」や「やってみたいこと」があれば、結果を受け入れて、次にチャレンジしていくことができます。
“0”を“1”に変えるわずかな変化で、「食育」や「環境」などの難しいテーマが、ごく普通の当たり前の生活に飛び込んでくる感動は、私の中で大きな変化と収穫をもたらしてくれました。
子供の頃、当たり前のように、どこの家の裏庭にも小さな畑があった日本の原風景の意味と価値を、ようやく知ることができました。
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